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2008年4月25日 (金)

拾った目

宇宙人は散歩の途中で
目を拾った。

拾った目を
山下くんと武智くんに見せた。

山下くんは
知らないと言った。

武智くんは
それは象の目だよ
それも、アフリカ象の目だ。
と、言った。

武智くんは
クラスでも一番
理科が得意な子だ。

ぼくはさっそく
アフリカに行こうと決めた。

武智くんにこのことを告げると
「それはいいことだね」と、言ってくれて
「ぼくも、きっと行くよ」とつけたした。

武智くんと二人なら
どこまでも行けるだろうと思った。

山下くんは駄目だ。

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2008年4月24日 (木)

結局死んだ

その女は
死んだ。

馬に跳ねられて死んだ。

矢に打ち抜かれて
死ぬはずだったに

跳ねた馬は
その女を
気のどくに思い
おのれの馬小屋のある
農家まで
女の亡骸を背負ってきた。

馬は考えた
いかにも
この俺が悪いのか
そんなはずはないぞ
いきなり
疾走している馬の前に
出てきた女が悪い
むしろ
必死で止まろうとした俺の
足が悲鳴を上げた。
きしんだ。
少し痛めた。
ならば、こちらが被害者だ。

馬は考えた
ここに置いておこう
きっと、誰かが弔いをあげるだろ。

農家の庭に
女の死体がひとつ
放り出された。

あわれなものだ。

馬はその夜
泣いた。
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2008年4月23日 (水)

やられたー!バタッ

あわてもののその女は
矢で射られる前に
バタリとその場に倒れた。

そばでは、
まさに矢を放とうとしていた武士が
困惑していた。

「まだでござる!」と叱責をしたが
聞き入れられることは無かった。
女はじっと倒れたままでいる。

その先では
馬が馬なりに笑っている。

のどかな日々が続くと
こんな珍事にお目にかかることがある。

随分と時間が過ぎた夕方頃。

女は何も無かったかのように
すっくと立ち上がり
困惑する武士に向かって
「ごめんあそばせっ」と言うと
そそくさとその場を立ち去った。

武士は仕方なく
構えた弓矢を天に向け放った。

高くあがった矢は
しばらくして落ちてきて
笑う馬のしりに命中した。

馬は笑いどころではない。
血相を変えて
どこぞへ走り去った。 

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2008年4月21日 (月)

なんだ!お前らは

宇宙人を連れて
公園に散歩に来たら
公園のベンチに三羽の雀がとまってた。

近づいてみると
ごちゃごちゃと込み入った話しをしている。

固まちゃうわねぇ
ピーの旦那さんは失業中でしょ
あたしの旦那なんか昼から賭け事ばかり
いまごろはボートよボート。
ほんとに困るのよ
うちはすっかり貧乏なのに
ねぇパーさんのお宅はどうかしらぁんチュン

あたしの旦那は安心よチュン
すっかり家には帰って来ないもの
どこをほっつき歩いているのやらチュン
先日なんか商店街をウロウロしてたら
あら、うちの旦那ったらわかい子の
尾っぽを追っかけ回して
よちよち歩いて
むーみっともないやら
なさけないやら
もう、あほらしくて。チュンチュウン!

すっかり面白くなって
ずっと雀の話しに耳を傾けていると
すっかり日が暮れて
雀達もどこかへ飛んでった。

ぼくらも家路を
急いだ。
家路とはいっても
どこぞの
路地裏を少しばかり間借りをするだけだ。

そして、夜中に
近所のおやじに
「おまえら!なんだ!立ち去れ!」とやられて
一晩中、ウロウロするハメになったりする。
俺たちは、冒険野郎だ。といい聴かせながら
よっぽど、あの雀達のほうが
文化的な生活をおくっているように思えてくる。
でも、まけません。
ぼくらは、天下の冒険野郎だ!チュンチュン。
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2008年4月20日 (日)

いろりばた

女は
囲炉裏の火をおこし

宇宙人は火にかけた鍋の中が気になり

ぼくは縁側で寝転んでその様子を楽しむ

鍋の中は筑前煮だ

いい季節になった。

でも、ここは他人の家
勝手に上がり込んで
勝手な日常を
たのしんでいるぼくらだった。
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2008年4月19日 (土)

春の日だまり

太陽がここだけに
暖かいひかりを
そそいでいるような昼頃。

少女はごまをすり下ろし
ぼくは宇宙人から酌をされ
いい気持ちで酔ってきた。

週末は何だかのんきな気分で過ごす
勿体ない程無駄な時間を費やす。

時間だけがみんなに平等のようだ。

少女はすり下ろしたごまを
口いっぱいに
頬張って
もごもごとやりながら突然!
大声で
オープンざセサミとやったら

驚いた!

ぼくの時間と
宇宙人の時間と
少女の時間が
みんなチグハグに進んでいる。

ぼくの時間はやたらとのんびりと
宇宙人の時間はむやみに早い
少女の時間は
動きが分からない程に速い!

あー時間までもが
不平等になってしまった。
もうおしまいだー!

春のひだまりの
うたた寝は
きもちいいほど
変な夢を見るものだ。
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2008年4月18日 (金)

上空です

ぼくはいま
誰かの屋敷の上空にいます。
大きな屋敷は羨ましいけど
ほら
こんな上空から眺めれば
存外小さい小さい
だから
心細くなったら
ふわり上に上がって上空にいく

ひとりで
ふわりと
上空にいる。

今日のような雨降りは
下は靄って何も見えず
上も下もわからなくなったら
白い靄のなかで
ふんわり動かず
じっとして
晴れるのを待つだろう。
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2008年4月17日 (木)

貧乏であること

僕らは貧乏だ。
貧乏であることを恥ずかしいとは思はない。
ぼくは、のんきに暮らしている。
少女は夢を叶えるため
遥か遠くにある都会に出て行く。
今日はそんな日だった。

少女は別れのあいさつを
手荒い方法で執り行った。
宇宙人が特にその犠牲になって。
終止頭を引っ張られていた。

宇宙人は泣きべそをかきながらも
別れのつらさを嗚咽まみれに訴えている。
少女が弟のようにかわいがっていた奴である。
少女もさらにつらい思いだ。

ぼくは頭をなでられる。
いままで、何度も少女の鉄拳を食らった頭だ。
今日ばかりはこんな仕打ちで別れを告げる。
かえって、つらい。
胸の奥からこみ上げる悲しみを
言葉にもだせずに
泣くに泣けずに
ついつい
屁が出た。プッ!

彼女のじいちゃんは
寝たきりで
彼女はじいちゃんを、ことのほか大切にし
じいちゃんも彼女のことを愛した。

じいちゃんは床の中から
彼女を見送っていた。
もう涙を流す水分は体のどくにも
残っていない。
じいちゃんは静かに静かに頷いて
彼女の背中が小さく小さくなって見えなくなっても
ずっと頷きながら
幸せそうな顔をしていた。

じいちゃんはうれしい
気持ちがとても熱く
若返ったようだった。
彼女の夢は
じいちゃんの夢

それからしばらくして
ぼくと宇宙人が
じいちゃんの家を訪ねると
驚いたことに
じいちゃんは床を離れ
庭でスクワットを繰り返していた。
その姿は若い。
本当に若返っているように見える。

そんなじいちゃんを目撃してから
一週間ほどした晴れた朝に
じいちゃんは年金を握りしめて
少女のいる都会に向かって旅立った。

じいちゃんは貧乏な老人であったので
遠く都会を目指すのに飛行機や列車の切符が買えない。
だから、自転車で行った。
貧乏であることは自転車に乗って
都会を目指すことだろうか。

少年は思った。
いつかきっとぼくも自転車に乗って。
どこかを目指すのだろうと。
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2008年4月15日 (火)

牛の背中

宇宙人は
牛の背中に乗っかて
おむすびを頬張ることを好んだ

陽気のいい
耕作のころは
このうえなく幸せを感じていた。

牛があまりに一所懸命に働くと
ついついそのよだれを
後ろに降り飛ばしてしまうことがある。
宇宙人はそれを巧みな技でかわしながら
おむすびを頬張る

「実に結構!
 けっこう けだらけ
 牛 泥だらけ
 ぼく米粒だらけ
 きゃきゃきゅぁ!」と、
牛の背中でぐらぐらと揺られながら
大声で叫ぶ
叫んだその大口で
おむすびをパクリッ!

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2008年4月14日 (月)

ある なし

その女は
木の下で、
小鳥がさえずるように言いました。
「ほらごらんなさいよ
 わたしのこの髪
 つやつやと黒くて
 いきいきと健康的で
 ほらごらんなさいよ」
少年が答えて
「ほほう
 しかし、
 その頭の黒いとんがりは
 いったいなんです。」
女はそのとんがりをなでながら
「これ
 これは角よ
 サイの角も、もとは毛だと
 偉い先生がテレビで言っていたわ
 わたくしも
 つまり
 サイになったのね。
 すばらしいじゃないの
 何だか近頃
 突進をしたいきもちよ
 わかるかしら
 突き進みたいこの気持ち
 すてき!」

少し離れたところにいた宇宙人は
僧侶の頭をなでていた。

その僧侶は苦い顔をして
地面を見ている。

実は、この僧侶は
僧侶ではなくて
れっきとした貴族の子息である。
麻呂麻呂マーロンという
ハーフの貴族だ。

そして、角のあるサイ女は
その妻だ。

麻呂麻呂マーロンは
毛がないぐらいが何だと思った
思って思って思い詰めたあげく
僧侶に化けて暮らすことを見つけた。
なんだかいい気分になっていた。

そして、妻はいつの日かサイになって
どこぞへ突進していくだろう。
そのときこそ
麻呂麻呂マーロンは妻の
突進する後ろ姿に向かって叫ぶだろう

「はいサイなら」

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2008年4月13日 (日)

卑弥呼さん

今日は朝からあいにくの雨。
だからこの町を遠くはなれた或る国に
やってきた。

卑弥呼さんの住む町だ。
宇宙人とぼくは
近くのコンビニでジュースをかって
卑弥呼さんの家に向かっていると
ちょうどスーパーにお昼ごはんを買いに行く
彼女に出くわした。

僕らは卑弥呼さんに
これからのことを占ってくれと頼んだ。
買い物に出かける途中なので
きっと、いやがるだろうと考えていると
気さくに、すぐに、さっそく
占いに取りかかってくれた。

そして、彼女はこう言った。

「二度とこの国には
 来ないことが、
 二人の幸せにつながるであろう。」と
実にありがたいお言葉をちょうだいしたので
さっそく、もと来た道を戻った。

静かに雨の降る町に帰った。
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2008年4月12日 (土)

弥生風髪型

少年はいよいよもって
ますます弥生人になっていった。

そのかぶれようは着るものだけでなく
髪型までに及んで
さらには、訳の分からぬことまでほざくに至った。

「もうがまんがならん!」
と、僕が怒ると、
そしらぬふりをする。

そんな日々を過ごしたある日
ぼくが、少年の部屋を覗いてみると
やはり、相変わらずである。
弥生人がいる。

ところが、どーだろうか
いつのまにやら
ぼくの頭も
弥生人のようではないか!
こーして、ぼくも弥生人になるのだろう。

ぼくは少年と
「あdkfじょんvzfほsfんz」と、
弥生語で挨拶をかわした。

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2008年4月11日 (金)

訪問

少年の誕生日らしいので
ねーちゃんと花を買って
少年の住む竪穴住居を訪ねた。

少年は誕生日を何回迎えても年をとらないようだ
不思議な生き物である。

きっといつかは
僕の星につれてかえり
解剖してやろう。

冗談です。
少年!誕生日おめでとう!

ぼくらは、一晩中
少年の竪穴住居で騒いだ。

「何が年を取ってめでたいのだろう………」と、
少年がつぶやいた。

10年生きてる生き物である。
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2008年4月10日 (木)

ミステリーサークル

「農家の人に叱られるから
 やめなさい!」と
ぼくは、大声で宇宙人を叱ったのだが、
いっこうに、僕の言うことをきかない。
それどころか
ますます動きが激しくなり
せっかくたわわに実った田んぼの中を
かけずり回る。
「バカだよ」と雀が呟いた。

宇宙人はミステリーサークルを作っている。
このすばらしい景色をみて
どーして作りたくなった。
宇宙人の血が騒ぐ。
ミステリーサークルは
なにかのメッセージでもなく
UFOの着陸後でもない
ただの落書きだ。

そのことを知った農家の人は
宇宙人を取っ捕まえて
納屋の裏の柿の木に
吊るした。

宇宙人は一晩中泣いた。
大声で許しを請った。

次の朝、
宇宙人は許された。
「もう二度と致しません。」と、約束をした。
その日以来、世界中でミステリーサークルが
現れなくなった。

僕は次の日も農家の手伝いをして
たわわに実った稲穂を刈り取った。
宇宙人も手伝った。

何日か手伝って
お礼に、少しコメを分けてもらう
何ヶ月かは、それで生きていける。
お米よありがとう。
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2008年4月 9日 (水)

焼きりんご

竪穴式住居で
リンゴを焼いた
宇宙人が臭いを嗅ぎ付けて
柱の影から様子を覗いてる。
あの少女は
こともあろうに
家の壁をメリッと引き裂いて
顔を突き出して
くんくんとやっている。

もうすぐ
このりんごは焼ける。

僕一人で食うつもり
きっとうまくない予感
まずいだろう。

とおく掃除機の音がうるさい
いらいらする

うまくない焼きりんご。
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2008年4月 7日 (月)

石器時代

目に星のあるねえさんは
石器時代を知っていると言って
カンカンと石器をつくる。

宇宙人のぼくは
それに見とれた。
少年は
「あほらしぃ
 あほらしぃ」
とカンカンになって
どこかへ行った。

いかにも了見の狭いガキである。
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2008年4月 6日 (日)

ひょ ひょ ひょう〜たんっ!

ねーちゃんとぼくと少年の三人で
学校にやってきた。
すると、男の服を着た女が
大声で叫んでいた。

「だれかー
 いったい、だれかー
 こんなものを落していったのは!」
高々と差し上げられたその手には
ひょうたん。
そして、その男のような女は
こう続けたのだった。
「このひょうたんがけしからんわけではない!
 問題はこの中身だー
 酒だ!酒が入っておるのだ!
 それも、小学校の教室にあった!
 まさか!生徒ではあるまいが
 たとえ大人でも
 けしからん!
 さっさと出てこい。
 このわたくし
 乙女心必死子が
 成敗してくれる!」

長い口上であった。
横で少年が
真っ赤な顔をして
にがにがそうにその様子をみていた。
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2008年4月 2日 (水)

わら遊び

少年はわらの家を造った。
目星の少女は狩りに出かけていった。
ぼくは少年のために
わらを拾っていた。

空飛ぶ円盤は
わらの家に恋をしたようだ。
それだけの時間を大切に生きていこうと宇宙人はわらをみつめた。
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2008年4月 1日 (火)

傷だらけの俺

俺は傷だらけ!
お前らみんな黙ってろ!

傷だらけの男の子が町をぶらぶらしながら
とてもイキガっておりました。

宇宙人は車の影にいました。
少年はそのうしろにいました。
目星の少女は車の下で。
みんな思い思いのことを考えています。

ただ、だれもその男の子のことは
気にもかけておりません。
ただ、宇宙人はその子の
三輪車を盗んでやろうと考えてます。

あのドクロがいいのじゃ
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