2008年6月30日 (月)
2008年6月29日 (日)
2008年6月28日 (土)
馬が走っていく
遠く馬が走っていくのが見える。
今にも雨が落ちてきそうな空模様。
アスファルトと芝生との境目で
どちらともない匂いを、
宇宙人は嗅いでいた。
遠く走り去る馬のヒズメでカッツ カッツと
傷つける大地から漏れだす匂いを
宇宙人は嗅いだ。
ここに生きている。
地球の匂いだ。
もうすぐ雨が降る。
少年は傘を忘れた。
少女は少年に持ってくるように
しつこく頼んだのに、少年は忘れた。
「もう、しかたがない!」と、ご立腹の様子。
でも、顔は笑顔。
雨が降って来た。
きっと、さっきの馬はもう遠くをカッツカッツと駆けていることだろう。
2008年6月27日 (金)
2008年6月26日 (木)
相合傘
汚れた町の裏道で
少年が相合傘をぼくに差し出した。
ぼくはその中に一緒に入った。
この町の裏道に住み着いている馬は
酒好きで、今夜も
アルコールをさがしてさまよう。
馬は金がない。
芸もない。
ただただ、ねだるだけだ。
ひひぃーん
少年の右肩が少し濡れている。
ぼくの左肩がほんの少し濡れている。
相合傘はきゅうきゅう狭い。
少年の左肩がぼくの右肩にぎゅっとふれて
あたたかい。
馬はどーやら
酒にありつけそうな店を見つけた。
「Bar うま」
看板を見上げて
馬はうなずき、にこりと笑った。
今夜は酒にありつけそうだ。
少年は
どこかで一杯ひっかけていこうよ
もうすぐ7月なのに
なんて肌寒いんだ。
そう言って、ぼくらはそばにあったBarにはいった。
馬がカウンターで酒をのんでいた。
2008年6月23日 (月)
傘星人
傘星人は
梅雨時になると
やたらにはしゃぐ
傘星人は
随分と以前から
地球にいる。
うまく人間と暮らしている。
近頃では
安い傘星人が多く現れ
傘星人国際本部では問題になっている。
安いのは結構なのだが
実に短命で
中には開いた途端、
突風に煽られ無惨な姿で道ばたにその哀れな姿を晒している。
親切な宇宙人は
そんな傘星人を
なんとか守ってあげたいと
そう思っている。
そして、きっといつか
傘星人がふるさとの星に帰れることを願ってる。
傘星人のふるさとの星は
雨が降らなくなって滅亡した。
傘星人はこの地球にたどり着いた時は
それはもうぼろぼろの破れ傘だったらしい
一部の者は妖怪になったやつもいる。
いま、傘星人は新たなる進化をとげようとしている。
人間のための傘ではなく
傘のための傘になろうとしているのだ。
2008年6月22日 (日)
馬、マエとウシロ
この町にはいつの頃からか
馬が一頭住み着いている。
いやいや、馬ならズート以前からいる。
ただ、この馬はそれらの馬とは
少しばかり違う。
まず、飼い主のいない野放しの馬だ。
言葉をしゃべる。
前足と後ろ足が不自然だ。
表情がへんである。
とはいえ、何も悪さをするわけでもなく
ただ、のんびりと町中を散歩するばかりで
危害はないようだ。
町の人々にとくだん愛されているわけでもない。
いたってのんきそうな生き物だ。
ただ、よく
マエあしとウシロあしが喧嘩をするのを見る。
親切な宇宙人がそれを見かねて
仲裁に入ると
すぐに仲良くなる。
しかし、またすぐに喧嘩を始めるしまつ
その点だけは厄介そうなので
だれもかかわらなくなったものの
宇宙人だけはやはり性分なのか
つい、仲裁に入る。これの繰り返しがつづく。
それにしてもこの馬は
やはり、人間が二人
マエとウシロに入っているように見えるが
頑として、
そうではない!といいはる。
マエとウシロとが声を合わしていいはんるので
その点も触れないようになった。
2008年6月21日 (土)
散歩 三歩 サンポ
晒し首の
三助は人呼んでサンちゃん
苗字はない。
ぽん助は人呼んでポやん
苗字はない。
だから、二人合わせて
サンポ。
散歩が好きで、
三歩あるくと喧嘩ばかり
でも、仲良し。
だって、この世にふたりきりのしゃべる晒し首だもの。
宇宙人にいじられても
じっと堪える。
我慢強い二人。
体はとっくの昔に無くなったけど
二人は元気に今日も朝から散歩する。
時々、犬に頭をかじられる。
たまに、猫にパンチをくらう。
よく、子供に蹴られる。
以前、川の側でイタチに食われそうにもなった。
でも、ふたりで助け合って、逃げて来た。
いつも、人々に冷ややかな視線で見られる。
無視される。嫌われる。
でも、サンポは元気に散歩する。
三歩あるいて、口喧嘩。
サンポの散歩は騒々しい。
2008年6月20日 (金)
とーもろこし
うっは!
とーもろこしが一本
やっとこさ育った。
宇宙人は喜んだ。
そこへ
米国政府の人がやって来て
これを燃料にするからよこせという
いやだ
と、宇宙人が言うと
だめだ
と、米国人が言う
仕方がないので
明日になったら
もっていっていいよと
宇宙人が言うと
素直に米国人は帰っていった。
さて、宇宙人はその夜
夢を見た。
とーもろこしから燃料を取って
宇宙に行ったところで
なにも食べるものがなければ
餓えてしまう。
とーもろこしを食べたからといって
このままここにいても
なにもかわらない。
いったい
どーしたものかと
悩んでいると
とーもろこしが空か降り出して来て
とーもろこし星人が現れて
地球を征服してしまった。
もちろん食料は人間だ。
2008年6月19日 (木)
馬ノ内蔵助殿、にんじん!
この屋敷に飼われている馬は
馬ノ内蔵助と呼ばれる馬で
たいした役者であるらしい。
と、いうのも
この村では年に一度
農閑期の祭りで
家畜芝居というものがあり
村中の家畜が集まってお芝居をする。
それを見るのが村人の楽しみで
とても、おもしろいらしい
ただ、出し物は「忠臣蔵」だけである。
なぜ、そうなのかはわからないらしい。
そして、ぼくは
お近づきのしるしにと
一本の人参を差し出すと
うまそうに食った。
そして、馬ノ内蔵助殿はこう言った。
「にんじんはうまい!
にんじんはくえる!
しかし
人間はまずい!
食えん!
だから、食わん。
共存の成立だ。」
むつかしいことは分からないので
ボクたちは先を急いだ。
2008年6月18日 (水)
2008年6月16日 (月)
セッシボォーン
名古屋に言っていた宇宙人が
とても興奮した様子でこんな話しを聞かせてくれた。
「友達を見つけたよ
きっと、親友になるよ
豚が一匹と
魚が一匹。
とてもいいやつらだ
うまいし
だいいち
見た目がすごくいい
とってもキュート
豚一匹は
矢場とんという店のマスッコと
化粧回しを付けた
いかした相撲取り
けつに大きな絆創膏が貼ってあるのが
とても愛嬌があるんだ。
魚一匹は
シャチだ
あの名城のてっぺんにいる金のシャチホコの親類だろう
良く似た風貌で喫茶店にいた。
名前はシャチボン!
アー、セッシボィーン!!
大きな目を上向けたプリティなシュークリーム
胸びれもあれば大きな尾びれは
堂々としてカッコいい
ぼくはしびれた
ぼくのしらない世界がまだまだある
ぼくをしらない人々がまだまだたくさんいる
ぼくはきっと
しびれをきらして
また、どこかに旅に出るだろう。
それでは
さいなら」
と、言ったら
ひょいと身を翻し
あの短い足をフル回転しながら
どこかへ消えてった。
少年と少女は思った。
あいつこそが
めずらしいのにと………
2008年6月15日 (日)
2008年6月14日 (土)
2008年6月13日 (金)
2008年6月12日 (木)
2008年6月11日 (水)
2008年6月 9日 (月)
2008年6月 8日 (日)
蛇口から生まれた
古めかしいガラス戸のある部屋の壁に
ぽつんとついている蛇口があった。
ぼくがこっそりと覗いていると
蛇口の辺りがプワーと膨らんで
親切な宇宙人の頭ができた。
そして、
ぽっとんと床に落ちていった。
蛇口からの一滴一滴が
親切な宇宙人。
そんな蛇口がある部屋で
ぼくはこっそり秘密を打ち明けた。
実は、ぼくも
その蛇口から生まれたんだよ。
みんな、ほんとはこの蛇口から
生まれているんだよ。
とうさんも
かあさんも
ねえさんも、にいさんも
ねこも犬も
すずめも、はとも、からすもみんな
この蛇口から生まれたんだ。
でも、いつかきっと
誰かがこの蛇口を
ぎゅっと強く締めるだろう。
2008年6月 7日 (土)
2008年6月 6日 (金)
のどかな中にヒゲ蛙
少し蒸し暑いものの
全般には
のどかな午後1時。
ぼくらは連れ立って
近所の丘に登った。
町の人たちが
禿げ山と呼ぶその丘は
たしかに
木がない。
草もまばらで
なぜか電信柱が電線もつなげずに
ぼんやりと立っている。
少年はその電信柱を
ことのほか好んでいる。
そこに行くと
何やら話しかけたりしているので
すこしばかり気味が悪いから
あまり近づかない。
少女はスケッチ。
すると、どこからか
いつのまにやら
ちょびヒゲの大きな蛙が
現れて、僕に道をたずねた。
東京にいくにはどこをどう行けばよろしいのであるか。と
知らない。と答えると、
げろげろと泣きながら
去っていった。
悪いことをした。
ぼくは親切な宇宙人なのに
なんてひどいことをしたのだろうか
そう思うとぼくも泣けてきた。
そして、げろげろと泣きながら去っていった蛙の後を
追った。
2008年6月 5日 (木)
2008年6月 4日 (水)
2008年6月 2日 (月)
オレンジジュース
その小料理屋のおかみさんは
よほどこだわりのある人である。
ぼくは子供のくせに
その小料理屋へ行く。
おかみさんは
ぼくにジュースを出してくれるのだが
かならず
お銚子に入れてくる。
そして
おひとついかがとつぶやきながら
とくとくとそそいでくれる。
ぼくも負けじと
どれどれとばかり
くいっといただく。
オレンジの味のジュースである。
卵焼きをつきだしに出してもくれる。
子供ながらに
その色っぽさには
小さな胸が震える。
その小料理屋は今はもうない。
そのおかみさんは外国の人と結婚して
ヨーロッパのどこぞの国で過ごしているらしい。
いまでも外人のだんなさんを相手に
おひとついかがとやっているのだろうか。
すこしばかり胸がしめつけられた。


























