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2008年8月31日 (日)

猿去る

都会にやって来て
ちょっと騒ぎを起こした猿は
実は僕の家にいた。

親切な宇宙人の段ボールハウスで
かくまわれていたのだ。

外は嵐の日々で
なんだかだらだらと過ごした。

すっかり猿も体がなまってしまい
うっかりすると、今度は簡単に捕まってしまうかもしれない
そんな危うさと一緒に
今朝旅立った。
とおく奥多摩のそのおくの高尾山のさらに奥深くへ
旅立った。

また、一人残った宇宙人は
代々木公園から明治神宮あたりをねぐらとしている狸に会いに出かけた。

緑の濃い森である。

狸はいない。
どーやらこの連続雨降り事件に嫌気がさして
かねてより念願だった欧州旅行に出かけたらしい。
代々木公園のモグラが言っていた。

狸はフランスが好きだそうだ。
そういえば
いつも
セボン セボン ボンボンボンと腹をたたいていたな。

猿から電話があったのは夕方を少し過ぎた頃で日が沈むなか
静かに雨が降っていた。
猿は結局、新宿から電車に乗って帰ったらしい。
帰り着くと同時に布団に倒れ込むようにして寝た。
だから、今頃の連絡になったのだが
無事だ。
よろしく元気で過ごせよと、最後に言って電話を切った。

その電話の猿の声の遠く後ろから
セボン セボン ボンボンボンと聞こえてきたのは気のせいか。
きっと、雷だろう。
宇宙人は西の空が時々光るのを眺めていた。

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2008年8月30日 (土)

案山子と富士山。あー雀。

親切な宇宙人は旅に出た。
少年といっしょに。

遠く富士山の麓の田んぼまで来た。

案山子がひとつ立っていた。
雀が頭にとまっている。

案山子はへのへのもへじの顔をしている。
きっと、案山子の世界では男前なのだろう。
もてそうだ。身なりも決まっている。

宇宙人はその案山子を触ってみたくなって
黄金色に実った穂をかきわけてすすんだ。

触った。

宇宙人は幸せを感じた。

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2008年8月29日 (金)

ドンパン楽団

少年がティンパニーを打ち鳴らし
宇宙人がシンバル打つ

嵐がこの国をなめるように突き進み
国は混乱し甚大な被害に悲しんでいる

少年は雷様を沈めようと
ティンパニーで会話を試みる
宇宙人がそれを助ける

もうお願いだからやめておくれと
ドンドンドン
さあやめろと
バッシャーン

少年はあふれる川の水に
涙をあふれさせ
宇宙人はくずれる崖に
膝を落す

どーするすべもない二人

少年がティンパニーを打ち鳴らし
宇宙人がシンバル打つ

はやく何処かへ行っとくれ!

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2008年8月28日 (木)

雨道の蝉

雨がやむ気配もなく
晴れる気さえ感じられない空模様の中
宇宙人は散歩をしておりました。

突然もの前に
じじじじじじじと音を立てて
一匹の蝉が落ちてきました。
落ちた蝉はじじじじっじっじじいっっじと泣いて
のたうっているではないですか

宇宙人はなにもしてあげられません。
そのうちきっと
近所の猫がその蝉をくわえていくのやら
空かからすが舞い降りてパクりとその蝉をくわえていくのやら
すずめが格闘すのかもしれず

いずれも
宇宙人には残酷におもえて
その場をトットと立ち去りました。

その蝉の弔いを誰がするのかしら
と思いながら
宇宙人はとぼとぼと散歩を続けました。

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2008年8月25日 (月)

スーパー好き

少年と少女は昨日渋谷駅に出没した猿を追って旅に出ている。

宇宙人は近所に住むばあさんの手伝いで
スーパーマーケットに買い物に来た。

好きなのである。

たくさんのものが置かれたあの景色を
宇宙人はこよなく愛している。

ダイエーにも行く
オオゼキにも
ピーコックにもいくし
サミットや
丸正にも
とにかく何処でも行く。

各店舗の折り込みチラシを
暇があれば一日見ていられる程だ

しかし、宇宙人は
住所不定で
無職の無収入
新聞を取ってない
なので
新聞販売所のおにさんに
あのチラシだけをもらいうける。

きょうは
なすが安い。買う。
キャベツも安いので買う。
肉は高いので今度にする。
こんな買い物で
あのばあさんは今夜何を食べるのだろう

宇宙人は考える
キャベツの千切りに塩をふって
ナスは焼いて醤油をかけて
ご飯をいただく………
ご飯は       ない。

きゅうにお腹がすいてきた。

でも、大丈夫
宇宙人は
スーパー中を駆け巡り
目で楽しむ。
一時間もすると
満腹になった。

さあ、帰ろう

宇宙人は
ばあさんに頼まれたもの
うんしょ
うんしょといいなが運んでいった。
レジ袋は重いと
持つ手に食込んで痛い。

おばあさん!
ただいま!
買ってまいりましたよ。

おばさんの
はい、ありがとう
と言う返事が奥のほうからしたのを聞いて
玄関に荷物とおつりをおいて

あしたもよろしく!と
いって暗い廊下の奥にぺこりと頭を下げた。

宇宙人は知らない。
その家は随分と以前から誰も住んでいなかった。

そのころスーパーマーケットのレジの中のお札が
葉っぱに変わっていた。

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2008年8月24日 (日)

動かない馬

宇宙人が散歩をしておりますと
道の真ん中に馬が座っていた。

正座の格好で行儀がいい。

しかし、道のど真ん中はいけない。

車に敷かれるかもしれない。

宇宙人は馬をどかそうと努力を始めた。

なかなか動かない。

車が来た!怖そうな車で
やたらにクラクションを鳴らす。

焦る宇宙人。

何とかしようと必死である。

ところが、その先に少年がやって来て
ごろんと寝転んだ。

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2008年8月23日 (土)

ブレーメンのように

宇宙人は以前
UFOに乗って
旅をしているとき
ドイツのブレーメンに立ち寄ったおりに
音楽隊にあった。

年老いたロバと
犬と
にわとりと
ねこ。の四匹組で
中々素敵な連中だったが
ロバはこっそりこんなことを言っていた。

きっと、長くは続きませんよね
でもね、わたしらはもう年老いています。
今さらいさかい事をやらかすことまないでしょうから
後は、それぞれが寿命になって
死別するんですね。
そのときは解散ですよ。

あまりに寂しい話しに
宇宙人は泣きました。

そんな姿を見た四匹組は
さっそく、楽しい音楽を演奏して
とても楽しい気分にしてくれた上に
たくさんのごちそうをしてくれました。
ビールのたらふく飲みました。
リンゴ酒もふるまってくれました。

最高の一夜を過ごした宇宙人は
別れがたさを振り切って
次の日の昼頃に
ブレーメンを後にしました。
やはり四匹組は
大空に舞い上がっていくUFOに向かって
愉快ではつらつとした音楽で送ってくれました。

この時の経験が忘れられない宇宙人は
さっそく近所の貧相な生物を集めてみましたが
集まったのは
家出中の犬子さんと
ぼろぼろ烏のカーボンと
それに、アリの双子の兄弟。

なんともすごいメンバーですが
宇宙人は
集まってくれたみんなに感謝の弁をのべると
さっそくみんなで
悪い泥棒の隠れ家に資金調達に
出かけました。
ブレーメンの音楽隊は
きっとこんな話しだったと思い浮かべながら
宇宙人たち一行は郊外の町をさまよいました。

一晩中さまよっても
泥棒たちの隠れ家にはいきあたりません。
すると烏が
コンビニを襲おうじゃないかと言い出しました。
これを聞いた宇宙人は
烈火の如く怒って
つい、烏の頭をぶってしまいました。
ただでさえ
ボロボロの烏でしたから
たまったもんじゃやありません。
烏はぎゃぁーぎゃぁーと泣きながら
夜明けの空に
ぐしゃぐしゃになりながら飛んでいきました。

宇宙人は
悲しそうな顔をして
みんなにいいました。

解散!

みんなも
こくりと頭を縦に振ると
おのおのの道を去っていきました。

この日を境にして
明け方になると
かならず
宇宙人のいるところの
上空を
うるさい烏が一羽
ぎゃぁーぎゃぁーと旋回するようになりました。

あの
ブレーメンのようには行かないものだと
宇宙人はおもいましたとさ

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2008年8月22日 (金)

草のあるところ

宇宙人はとある団地の屋上の端っこに
一本の草の生えているのを見つけた。

あそこは
やすやすと
人の行けるところではない。と、思ったので。

宇宙人は地上から
水をやった。

竹の水鉄砲を
思いっきり差し上げて

ぴゅー
ぴゅー
ぴゅーと
勢いよく
水を吹き上げた。

とどいた。

うれしそうに草が笑った。
そう見えたのなら
気のせいだ。

毎日通って
ぴゅー
ぴゅー
ぴゅーと、水をやった。

何日かの後に
草の先に大きなつぼみが見てとれた。

百合

宇宙人はきっと
大きな白い
百合の花を咲かせることになるだろう。

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2008年8月21日 (木)

蟻の昼寝

宇宙人が散歩をしておりますと
道の真ん中に
小さな影がひとつありました。

よーくみると
蟻です。

横たわって
寝ております。
きっと、この夏の暑さに疲れて
働き蟻の職務をほっぽりだして
昼寝を決め込んでいるのでしょう。

親切な宇宙人は
これは起こしては可愛そうだから
その場でじっと見守ることにしました。

随分と時間が経ち
日が傾く頃に
その蟻は目を覚ましました。

ところが
昼寝蟻は
目の前を覆うばかりの
大きな影に驚き
寝ぼけ眼に
おろおろとよろけながら
立ち去っていきました。

宇宙人は
とても寂しい仕打ちに
がっかりしました。

こんなとき
どうーすればいいのだろう
わかりません。

宇宙人は
寂しそうな顔をして
とぼとぼと
散歩をつづけました。

もうすっかり
日は沈んで
飲み屋が賑やかになっております。

宇宙人の顔は
赤提灯に照らし出されて
真っ赤になっておりました。

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2008年8月20日 (水)

あせかきだるま

少し涼しくなったなぁ
と、気を許すと
とんでもないくらいに暑い日々がもどった。

とても忙しいだるまがいました。

今日も暑い中
転がっては起き上がり
起き上がったと思った先から転がって
あちらからやってきた

あせをかきかいやってきた

あせだく

ちょうどそこへ
親切な宇宙人がやって来て

手に持ったタオルで
だるまの汗を拭ってあげた。

ひさしぶりにみる
親切な宇宙人の
親切であった。

ならば、
地球を涼しくしてほしい。
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2008年8月18日 (月)

オナモミ攻撃 猿!

猿が突然やって来て
オナモミの実を投げつけてきた。

オナモミは秋の草で
そこらへんの空き地やほんの建物の隙間に
かってにはえてきて
みょーに、えばっているように見えるやつだ
実にはとげとげがたくさん放射状にぐるりとはえていて
見た目にも痛そうである。
西洋の拷問道具のようだ。

それをこともあろうに
たとえ宇宙人で人ではないにしても
許せん!
痛い!
痛いったらー!

宇宙人は泣きながら逃げだしていった。

この猿は悪い奴で
前科何犯の強者だ。
この町のろくでなしでもある。
檻が一番似合う猿でもあった。

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2008年8月17日 (日)

すずめは元気!

公園のベンチで夜明かしの宇宙人

ビルの玄関で目覚めた少年

日の出頃の路上で背伸びする
すずめ!

すずめ  がんばる
がんばれ すずめ
まけたらおわりだ
まけるなすずめ

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2008年8月16日 (土)

馬のお盆休み

馬がお盆の休みをとるので
少女と宇宙人は一緒についていった。

馬の田舎は遠くの山の中
都会からは随分遠い

途中休憩をした

そのまま、ズーと休憩をして

結局のところ
馬はそこでお盆を過ごして終わった。

この中途半端な場所は
きっと、馬にとっては
ここが第二の故郷になるだろう。

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2008年8月15日 (金)

さびしい星くん

宇宙人は野宿をしながら
夜空を眺めた。

そこに
あの懐かしい星くんがいた。

星くんは必ずひとつでいる。

夜空の星は
たいがいが大勢でいるのだが
星くんのときだけ
なぜか、ひとつきりなのである。

宇宙人は
久しぶりにあった星くんと
最近情報をかわしなたり
物価の高騰をなげいてみたりと
話題はつきない

ふと気がつくと夜明け頃で
すっかり
星くんの姿は薄れていった。

宇宙人は夜明け頃に寝始めたので
暑い外の空気のなか
よほどにうなされながら寝た。

きっと、目覚めたのが昼過ぎで
すっかり寝坊をしてしまって
驚いたものの

考えてみれば
別段、取り立てて
何もすることもない

しいて言えば
今夜の夕食を
拾いに行くだけである。

宇宙人とは呑気な生物でもあった。

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2008年8月14日 (木)

逃 非 行

宇宙人は
故郷の星にいた時は
不良だった。

追われるようにして
この星に逃げ込んできた。

宇宙人は思った。

もう行き場がないかもしれない

何とかここで生きようと決心した。

だから、この星の生物に
気に入られるよう
嫌われないように生きることにした。

とても窮屈な生き方に思えたのの
何とかやって来た。

ただ、この星の不良には
負けない。
負けたく無いので
頑張って戦う。

泥まみれで転がされたこともある
これからも
不良にからんで
悲しい思いをするかもしれないが

この星には
不良ばかりではない
もしろ
不良な少ない。

だから
たとえ、泥を噛んでも
宇宙人は気にせずにいる。

宇宙人は時々
不良を見つけると
こっそりとひどい目に遭わせることもある。

宇宙人は未だにこの星にいる。

もう逃げたりはしたくない。宇宙人。

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2008年8月13日 (水)

大怪獣 にわとり

とある牧場のにわとりは
牛を食った。

放牧している牛をむしゃむしゃとやっちゃったものだから
大きな怪獣になって
柵の中に隔離されている。

その卵をもらうために
少年と宇宙人は出かけてきた。

さかなと花をみやげにきてみると
なるほどでかい

しかし雄鶏である。
たまごをうむのかしらん
と、少年が不安になっていると

宇宙人が言いました。
産むんだ。
あんな怪獣になっちまったら
雄鶏も雌鳥もないもの
きっとうむよ
とっても大きな卵を

それを聞いて少年の目は
輝いた。

ここ何年かで初めての出来事である
少年の目が見開かれるなんて

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2008年8月12日 (火)

宇宙人も泳ぐ川

お盆休みなので近所のどぶ川に泳ぎにいった。
都会だからしかたがないが
存外、みんな喜んで遊んでいる。

宇宙人は平泳ぎで世界記録を打ち立て
さらに、金メダルまでとった男の人に
とても感動して
世界を水泳で目指すことにしたらしい

川で泳ぎの練習をはじめた。

カッパも応援に駆けつけたし
たぬきもやってきた。

犬子は水着を着て
宇宙人を挑発する。

宇宙人は一心不乱に泳いだ。

もう気持ちは金メダリストである。

宇宙人は金メダルを取って
金メダルを売って
みんなにもんじゃをごちそうする夢をみていた。

そんな宇宙人のけなげな夢をしらずに
少年はふんどし一丁で甲羅干しをしていた。

きっと、こんやはみんな
日焼けをした背中が痛くて
眠れないことでしょう。

カッパは別。

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2008年8月11日 (月)

突然のことで、猿山

猿山さんは猿である。

猿山さんは定まった住処を持たない。
さすらいの猿であった。

そんな猿に犬子はほれた。

そんなある日、空き地に大きな砂山が出現した。

猿山さんはその山のボスになって君臨することにし
犬子を妃としてむかえた。

暑い太陽が猿山を熱し続けている午後に
一人の少年が現れて
猿山さんを
思いっきり

猿呼ばわりした!

猿山さんは猿と呼ばれることをとても嫌う。
怒って山を崩しながら
雪崩のごとく少年に襲いかかってきた。

少年は敗れた。
そして、去っていった。

平和がもどった猿山に
宇宙人はこっそりと
地下帝国を築きはじめていた。

正義がはびこったためしはないが
悪はしばらくは繁栄するものだ
生き物ひとつ生きるには十分な時間だ。

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2008年8月10日 (日)

犬子の家出

今朝は涼しかったので
宇宙人は町を散歩してみた。

だらだらと人気の少ない町を歩いていると
犬に出くわした。
面白い顔のその犬は、
私は犬子です。
いま、家での最中ですの
よろしくと挨拶をしてきたので
宇宙人も犬のれいに習って
四つん這いで挨拶を返した。
宇宙人は犬の言葉がわかる。

犬子さんはいぬこさんで
いましがた両親犬に決別をして
犬小屋を飛び出したばかりで
行く場を失い
こまっている。そうだ。

宇宙人は助けてやれないというと、
親切な宇宙人ではないのかと、犬子さんが毒づいたので
少し怖くなった宇宙人はかくまってあげようと
口からでまかせを言った。

そのとき彼女の背後から
きっと、両親犬が迫っていた。
娘犬を心配で追ってきたに違いない。

犬子さんは宇宙人をじっと睨め付けることに
集中している。

このままでいれば
両親犬が娘を捕らえるだろう

そのときを宇宙人はじっと
四つん這いで待った。

すずしい午前8時ごろのできごと。

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2008年8月 9日 (土)

宇宙人、帰省する。

あついねぇー前足よぅ
あついよぉー後ろ足ぃ
と、
馬の前足と後ろ足はこの暑さにあえいでおりました。

宇宙人は馬に乗って
この暑さの中
帰省をすることにしました。
きっと、お墓参りでもして
ご先祖さまをねぎらってやろうと考えたからです。

少年と少女がお見送りをしてくれました。

宇宙人の田舎は何処なのかしら

しばらくして宇宙人は戻ってきました。
そして言いました。

少し行ったところに
墓地があったので
適当なお墓にお参りをしていると
見知らぬ家族がやってきて
いったい我が家の墓で何をしているのだ、というので
墓参りです。と答えると
宇宙人の子孫などいるはずもない
だから、やめてくれ、と言う
仕方がないから立ち去った。

まんじゅうを持って帰ってきた。
みんなで食べようよ。

君はそれを墓から盗んできたのだろう
けしからん奴だ。
出ていけ!と、少年は叫んで
宇宙人をたたき出した。

宇宙人が少しばかり面食らった。
あの少年があまりにも常識的なことで
怒りだしたからだ。

暑さのせいかしら

仕方がないので
宇宙人はまた馬に乗って
何処かへ行った。

馬の後ろ足が言いました。
おれ、墓へ行くのは嫌だよ。
前足が答えて
俺だって嫌さ。

前足と後ろ足は
墓地を避けるため注意深く町を巡りました。

そしてまた
元のところに戻ってしまいました。

馬の後ろ足は思いました。
この町は墓地だらけだなぁ
前足も思いました。
墓がないとこなど
どこもねぇや

宇宙人は
馬の背中ですっかり寝ていましたとさ

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2008年8月 8日 (金)

ママチャリの子

彼女はこう言った。

ママチャリはママなのですから
きっと、子供が産める。
産めるなら産ましてあげましょう。

産んで増やして
自転車屋を開業しよう。

そう言うことをいう。

のった。

だから、宇宙人とぼくと彼女は
ママチャリの前で祈った。

でも、いのっても子は産まれない。

パパが必要だ。

そこへ
見知らぬおじさんが通る。

さっそく、パパになってもらおうと交渉すると
気軽に応じてくれた。

来年あたりには
きっと
元気な
チャリン子が産まれていることだろう。

ちりん
ちりん!

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2008年8月 7日 (木)

宇宙人は、見た!

白い雲の上を
鬼の親子がのんびりと歩いているのを。

宇宙人は、見た!
少年と少女が連れ立って河川敷にゴルフをしにいくのを。

宇宙人は、見た!
家政婦が見た。の最終回を。市原悦子に恋をした。

宇宙人は、見た!
雲の上の鬼が虎の腰巻きを洗濯をして干しているのを。

宇宙人は、見た!
UFOが壊れているのを。

宇宙人は、見た!
親切にした人が迷惑そうな顔をしたのを。

宇宙時は、見た!
鬼の子がフリチンで雲の上を走り回っているのを。

宇宙人は、見た!
鬼の子が地上にむけておしっこをしているのを。

宇宙人は、見た!
ギャグの巨匠が遺影になってしまったのを。

宇宙人は祈った!
ギャグの巨匠のご冥福を。

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2008年8月 6日 (水)

セミになって

泣いた。

うえんうえんと泣き叫んだ。

電信柱が濡れるほど泣いて
おしっこをぴゃぁとして飛んでいった。

ぼくらがそんな朝遅い時間を過ごしていると
遠くの空から入道雲が大きな顔をもくもくと出してきた。

それはとてもうまそうな景色で
もはや雲には見えず。
かき氷にしか見えなかった。

さっそく、また、セミになって
メロンシロップをかかえて
とおくあの入道雲まで飛んだ。

セミになったぼくらは
かならず飛び立つ時に
ぴゃぁをしでかしてします。
これはセミの質だからしかたない。

すこし、あの娘にかかっただろう。
ごめん

ぴゃぁ

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2008年8月 5日 (火)

宇宙人信号機

宇宙人が信号機になった。

ただ、
青信号で立ち止まっている。
赤信号で歩いている。

これでは事故のもとだ

すぐさま
撤去された。

幻の宇宙人信号機。

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2008年8月 4日 (月)

ドライブンブン!

今日の都会は
昨夜からずーと暑い地獄が続いている。

ぼくらは
遠く海か山へ行くことにした。

ぼくは飛んでいく
宇宙人自力では飛べないので
ぼくの足に掴まる。

彼女は車。
どこにあったのかは聞かない。
運転技術はたいしたもので
空飛ぶぼくについてくる
彼女は以前
マッハgogogo~の男と付合ったことがあるらしい
しかし、その男は車にしか興味がなく
結局、車と結婚してしまったのだそうだ。
そして、できた子が
できた子が


暑い中
ぼくらは山をめざした。


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2008年8月 3日 (日)

日傘をさして

太陽がぼくらを焼き尽くそうとしている疑いのある午後。

でかけた。

太陽には負けない。傘がある。
ある人には傘がない。………都会人だ。

それはさておき
ぼくらは日傘を
拾った。もちろんだ。

その拾った日傘をさせるだけさして
太陽に挑戦だ。

宇宙人の傘がとてもいかしている。

ぼくはあまりの暑さに負けてしまった。
酔狂をしている。恥ずかしいかぎりです。

それでは
サンサンサンデー 太陽さん!

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2008年8月 2日 (土)

8月2日横断歩道上で

今日
町に出た。

暑い昼間にぼんやりと歩いていると
ぼくらの後ろから
大きな首がついてきた。

ちょうど横断歩道を渡っていた時で
少し焦り気味で
その大首の女の鼻をこそばしてやった

大きな首の女はくすぐったいのでやめろ!と、叱った。

ぼくらはおそれいって
ひれ伏して謝った。

大首は許してくれたのだが

ここはきっと車道のど真ん中だった。

信号がかわり
ぼくらは中央に取り残された格好で
猛スピードすれ違う車におびえた。

こんなとき
かく汗は
冷や汗なのか
それとも
何汗なのか

きょうも暑そうな一日だ。

肝をつぶしたぼくらは
暑さにまけないように
デパートに行ってすずむことにした。

一日ここですごす。
大首も付いてきた。
きっと、行くところがないのだろう。

仲間だね。と、宇宙人が声をかけて
鼻をなでた。

大首は
ぐすんっと、鼻を鳴らしたと思うと
突然、大声で泣き出した。
その目から吹き出す涙はさながら噴水のようだ。

今日も暑い
ときどきは
この大首を泣かしてやろう。

少年のこころは
時にすさんだ思いつきをするものだ。

82
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2008年8月 1日 (金)

子供ストライキ

ぼくらのことは心配には及ばない。

深い考えなどがあっての振る舞いではない。

ただ、ちょっとさぼっているだけで
別に他意はない。

なにをさばっているかというと
子供だ。
子供らしさをさぼっているところである。

子供らしさをさぼるとどうなるのか
大人らしくなるのか
それは違う。

みみずのようになる
これを長く続けると
ほんとうにみみずになって
地底にもぐっていってしまうので
ほどほどにしょう

あしたは
子供らしく
元気いっぱいがんばるぞ
お〜

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